Connecting The Dots

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韓国ウォン安とリーマン破たん

日本に居るので、ドルやユーロに対する円高に目が行きがちだが、豪ドルや英ポンドなども大きく下落している。中でも特に韓国ウォンの急落が激しく、10年年前の通貨危機の再発を予感させる程、深刻である。

昨年の10月時点では、1ドル=800〜900ウォン台で推移していたものが、現時点では1300ウォンと大幅に下落している。

United States Dollar (USD) in South Korean Won (KRW)

ウォン安による韓国国内の消費者物価は急上昇し、国民の生活を脅かしていることから、韓国政府はウォン買いドル売り介入を実施したがウォン安は止まるところを知らない。ちなみに、8月1か月で70億ドル規模介入を実施した模様。

また、 貿易赤字が大きく膨らみ、物価が急騰するなど、経済危機説が浮上しているベトナムへの最大投資国は韓国で1988年以降の累積投資額は135億ドルにのぼる。ただし、昨年の韓国の対ベトナム投資額は45億8000万ドルの中身は不動産と株式に集中しているのが特徴だ。

さらに、韓国政府が米エージェンシー債やモーゲージ債に多大な投資を行ってきたことも明らかになっている。ファニーとフレディについては政府管理下になったが、それ以外が発行する社債や証券についてはデフォルトリスクが高まっているといえる。

外貨準備高が多ければ、為替介入も準備金を取り崩せば良いのだが、外貨準備の多くは米国債ではなくリスク資産に投資されている。また、韓国政府が外貨準備高を増やすため、国際金融市場向に発行している外国為替平衡基金債券(通称外平債)の発行が難しくなっている。韓国の外貨準備高は2470億ドルで、IMFが勧める外貨準備高である3200億ドルを下回っていることから、韓国が純債務国になるのも時間の問題だという見方も少なくはない。

外国人投資家らが、韓国経済の先行きに見切りを付けてウォン建て資産売却の動きを加速している。

2度目の通貨危機を逃れるためにも、韓国としては9月に償還を迎える債券の借り換えのために何としても外平債を発行する必要があった。そのためには何としても米格付け機関による債券の格下げは避けなければならない。

そこで、政府系金融機関韓国産業銀行KDB)が、業績が悪化しているリーマンの株式25%を5-6兆ウォン(約5200-6300億円)で取得することを提案することで、米国に対し好印象を与え、外平債を発行を成功させようとした。9月危機を乗り切った後に、リーマン支援を白紙に戻したことから、リーマンが保護されず倒産に追い込まれたのは米政府の判断ではなく韓国政府だとの見方もある。

いずれにせよ、膨張した金融が暴走しマネーゲーム化すると大企業を破綻へと追いやることはたやすい。次のターゲットは企業ではなく実は国家なのかもしれない。今回の金融バブルで膨らんだ世界の金融資産は何と2京円。それに対するGDPは約5500兆円と金融資産は4倍にまで膨らんでいる。

新興国など新しい国が裕福になると、新興国から輸入する国の貿易赤字は悪化する一方で新興国の所得は増加し、消費でも余った資金は米国などの金融先進国へと還流する。還流した資金は新しい金融商品へとリメイクされ、そしてまた新興国へと販売する。新興国の国力がある一定水準を超えそうになると、通貨不均衡が発生し通貨危機が発生し、その国の金融市場はパニックをする。そして、貿易黒字や積み上げた外貨準備を一気に吐き出す。この繰り返しは、まさに戦争のようだ。今回の行きすぎの調整が一日も早く終わりに近づき落ち着く事を望む。