Connecting The Dots

クラウドIT顧問 山崎ジョー吉のブログです。

迫る高校受験の恐怖とやる気

2月3日に長男の私立高校の受験があった。3月の公立高校の滑り止めなので難なく合格の予定だったが、本人の様子がおかしい。合格発表の2月8日が近づくにつれて益々顕著になり、塾へ行っている時を除いて自宅では全くといっていうほど勉強をしている兆しはない。何度か聞き出そうと試みるが話してはくれなかったのだが、合格発表の前日になってようやくその理由を話し始めた。

「1時限目の国語のテストの最中に持っていた腕時計が鳴り出し、止め方がわからずパニックに。その影響で2時限目の数学も手につかず、3時限目の英語は時間が余ったので寝ていたら注意をされた。とにかく不合格だ。もう僕の受験は終わった。もうやる気なんて出ない・・・。」

明らかに受験が近づくにつれ高まるストレスが原因のようだ。塾の定期テストで明らかにされる志望校の合格率がプレッシャーとして大きくのしかかってきているようだ。

親として何ができるかと考えると、やさしい言葉をかけて安心感を与えるか、叱りつけてでも頑張らせるかのいずれかの選択を迫られる。

後者の場合は、一時的にせよ更にストレスを与え子供の精神力が耐えられるかが心配だ。
しかし、前者を選び諦めるという選択肢を与えると、壁に直面した際に越えられない大人になってしまわないかが心配だ。

結果として、翌日の合格発表で合格通知が届き、モチベーションがアップすることを期待し、強く言うことは避けた。

そして、合格発表の日。速達が届いた。本人に開封させると中からは「合格通知」が。本人の顔色が明るくなり、瞬間的にやる気が戻った様子。

と安堵していたのもつかの間。夕方からの塾から帰ってくるなり、服を蹴散らしソファを蹴りあげる息子。

塾の模試の成績が急落していたのが原因だ。昨晩の選択を今日もまた行わなければならなくなった。

「もうだめだ、終わった。受験しない」という息子に対し、「安心」させたいとことだが、今、逃避させるわけにはいかず、心を鬼にして「叱る」事にした。

1時間程話をした結果、本人は表面的には納得した様子を見せてはいるが、明日以降行動に表れてくるかはわからないが、サッカーに例えるとこんな感じだろうか。

中学3年の3月の本試合での勝利を目標にして3年間一生懸命練習をしてきた。本試合が近づきにつれ不安が増し練習意欲が急低下し、本試合への出場自体が恐怖に。その心理状態を表すかのように、直前の練習試合で惨敗。本試合出場を辞退を申し出る。ここで実は直前の練習試合で惨敗したのは自らが故意的に手を抜いて負けたのだ。「不安なんだ、苦しいんだ」というメッセージを間接的に伝えているのではないだろうか。

受験は人間の成長にとって良い経験だとは思う。失恋や病気も同様だ。どれも大人になって初めて経験すると大変だ。子供のうちに経験しておいた方が絶対良い。

とはいうものの、ゆとり教育と受験のギャップが子供たちを来島させているのを見ると、ゆとり世代の子供たちも被害者なのかもしれない。だとするとそれを救えるのは親だけだ。