Connecting The Dots

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【書評】こころと遺伝子 村上和雄

お散歩仲間さんからの紹介で筑波大学名誉教授の村上和雄氏の「こころと遺伝子」を読んだ。最近「やる気のスイッチ」に関する本が増えているが、この本は遺伝子研究の権威である村上和雄が遺伝子レベルから見た「やる気(遺伝子)のスイッチを」を押す方法を指南している。

今、日本が早急に改めて考えなおさなければならないのは「教育」「医療」である。人間の遺伝子情報を読み取ることができる時代になったからこそわかったのだが、遺伝子情報そのものを自ら書き換えたりはできず、外部からの刺激によて遺伝子のスイッチがオン・オフされ、生体がコントロールされているという。この考え方の事を「エピジェネティクス」と呼ぶ。

人の差は遺伝子レベルではわずか0.5%。天才と凡才の差も遺伝子レベルではわずかに0.5%にとどまる。つまり、今の学校教育の中心である記憶による点数評価制度は、33億もの遺伝子情報のわずか5%しか活用していない。残りの95%を活用出来るかどうかは自分自身が強く望み「遺伝子のスイッチ」が押すことだ。

人間のからだを構成している細胞には、外からのシグナルを受けるレセプターというものがあり、これを活性化させることが遺伝子情報をオンにする事だ。レセプターを活性化させるものは、化学的薬品や食品だけでなく、思いや愛、音楽、ことばなどといった非物質的なエナジーシグナルが、それ以上に大きな影響を与えている。

これらを実行した人物として75歳でエベレスト登頂を成功させた三浦雄一郎の生きざまを紹介している。

朝青龍引退の時にも述べたが、今こそ日本人の遺伝子に刻まれている遺伝子情報のスイッチをオンにし、自己のためだけでなく、日本全体の、さらには世界全体のために活動を開始する時だ。

この本では良くあるハウツー本のように具体的な行動を示しているのではないが、遺伝子学の視点から理論的にやる気のスイッチをオンにする方法を解説している。具体的なアクションを望む人は物足りなさを感じるかもしれないが、何度となく読み返すべき本だといえる。