Connecting The Dots

クラウドIT顧問 山崎ジョー吉のブログです。

点滅する蛍光灯とプリウスのリコールの関係

世界のトヨタがリコールで揺れている。今回の一件でプリウスをリコールするとは、かなりの英断断だ。2005年に松下電器が実施したFF式石油温風機のリコール費用(推定100億円以上)を大幅に上回る費用だと言われる。(プリウス以外のリコールと合わせて推定1000億円以上)

豊田章男社長は記者会見の中で「カイゼン」という単語を何度も使用していたが、カイゼンでリカバリーするのは並大抵の努力では難しい。一説では棚上げになっている普天間問題に対する米国の報復措置だとの説も囁かれるなど、一企業の話だと放置しておくわけにはいかない。

さて、トヨタの代名詞であるカイゼンの基本といえば、「無理・無駄・ムラ」の削減だが、その根底にあるのは「気付き」だ。昨年KYという言葉が流行したが、「気付き」はその対義語だといえる。今回のプリウスのブレーキ現象は、本当にトヨタの社員の誰も気付かなかったのだろうか?あのトヨタが気付いていなかったとは考えにくい。慢性的な受注残の状況下で出荷を優先させていた可能性はある。

一方、マスコミの報道に対し不満を感じる。プリウスでの実験はあってもそれ以外の車でも同様の実験を行って欲しい。本当にプリウスだけが特殊だいうことはないのではなかろうか。雪国に住む私自身、雪上でヒヤっとした経験は何度もあるが、滑ったらABSが効けば良いというわけでは決して無い。思いっきりブレーキを踏み込んだ時だけABSが働けば良い。

今回の対策によって雨天でも少しでもタイヤが滑ったらABSが働き、運転手がびっくりすると行った副作用が起こるかもしれない。ドライバーの感覚に合わせたチューニングというのは難しいだろうが、今回の件をきっかけに、運転の癖などを自動で分析し自動車が自ら調整するような仕組みが開発される事を期待したい。

ところで、オフィスで上司の頭上の蛍光灯が点滅していたら、あなたならどうする?

実は、これは私の職場での出来事。朝出社したら、隣の部署の頭上にあるの蛍光灯が点滅していた。「自分たちで交換するだろう」と思って様子を見ていた。ところが、午後になっても一向に交換する気配が無い。

  • 気付いているけど、忙しいから後回しにしているのか?
  • それとも、気付いていないのか?
  • いや、10人全員が気付かないはずはない。

などと想像しながら観察していたら、
別の部署の人が親切に換えの蛍光灯を持ってきて交換してしまったのだ。これが多発しているリコールなどの品質問題発生の根本原因かもしれない。

気付きという「気」という文字は様々な熟語などの単語に使われている。空気、元気、電気、気合・・・。「気」はエネルギーを感じさせる言葉に良く使われる。つまり、「気付き」がないということは、エネルギーが無い、あるいはエネルギーに反応することができないということになる。「気」が無い人はミスも多い。「気」が無い組織は結束力が弱い。「気」が無い会社は成長できない。

「気」というエネルギーを蓄えるためには、「気」を「付ける」。つまり「気付き」を磨くことだ。そのためには、「少欲知足」が重要だといえる。