Connecting The Dots

クラウドIT顧問 山崎ジョー吉のブログです。

ランチは社外でコミュニケーション?それとも社内でリラックス?お昼寝? -対話と会話の違い-

「ランチは交流の時間として活用すべき。必ず誰かを誘ってランチ」という人もいるが、お昼休みに同じ会社の人ならまだしも他社の人とランチをするのは1時間では非現実的だ。東京だったらお店が混んでたりしたら落ち着いて話もできない。地方だったら移動だけで時間がかかってします。一時ソーシャルランチという言葉が流行ったので、休日にソーシャルランチを真似てやってみたところ、確かにユニークな取組だと感じたが平日に開催するのはまず無理だと感じた。

交流の時間というのはやっぱり朝か夜なんだろうか?
北陸でも”朝活”が流行っていて毎日のようにどこかでセミナーや勉強会が早朝から開催されている。でも、早起きの生活に馴染めない人は長続きせず、結局のところ参加者はだいたい同じメンバーだったりする。もちろん、新しい人が入ってくるのは確かだけど。一方で夜はどうだろうか?夜はアルコールが入ってしまうケースが多いことから朝昼に比べるとコミュニケーションのための長い時間が必要だ。
そこまでしてコミュニケーションを取る必要ってどこにあるんだろうか?

さて、ここで「対話」と「会話」の違いについて考えてみよう。
英語では厳然と区別される2つの単語が、日本語では非常に曖昧な扱い方をされている。

「対話」とは、他人と交わす新たな情報交換や交流のことで、他人とはいっても必ずしも初対面である必要はなく、お互いに空いての事をよく知らない、未知の人物という程度の意味である。

一方、「会話」とは、すでに知り合っている者同士の楽しいお喋りの事である。家族、職場、学校での、いわゆる日常会話がこれにあたる。


日常会話のお喋りには、有益な情報はほとんど含まれていない。なぜなら家族や職場での会話は既に共有している事柄が多いからだ。新しい情報を得てイノベーション、あるいはクリエイティブな事を行おうとする人にとっては、ランチタイムに社内の人との会話は特に必要ではないのかもしれない。社内の人事情報や噂を仕入れようとする内向きな人は別だが・・。したがって、そのために社外に食べに行くというのは時間のムダというわけだ。そう考えると、Googleなどの先端的IT企業の食堂?が無料で食べ放題というのは合理的なのかもしれない。ランチをどこで何を食べるかと考えること自体がムダだという考え方はユニークだ。

話はそれるが、転職して変化した中の1つがランチタイムの使い方だ。前の会社では食堂という場所は用意されていたが、厨房はなくお弁当を持ってくるか、コンビニで買ってくる、あるいはお弁当屋さんに注文する、または外に食べに行くという中から選択する形になっていた。私はお弁当さんのお弁当が美味しいとは言えないのと、わざわざ買いに行くくらいだったら食べにいっちゃえ〜という派だったので、誰かと外に食べに行くケースが多かった。ところが、今の会社ではお弁当屋さんが複数入っていて日替わりメニューを見ながら選べるようになっている。しかも、安い上に、コンビニなどのお弁当と違って品数が多くてヘルシー。この値段とクオリティだったら外出する必要は全く無いといっても過言ではない。私はまだ転職したてなので、職場のコミュニケーションは会話ではなく対話なので社内にいることの方が重要だ。しかも、お昼休みが効率的に使えるのでとっても有意義。

社員数が多い会社だったら、食べる相手をシャッフルさせる仕掛けがあれば、ランチタイムを「会話」でななく「対話」として、コミュニケーションの活性化からアイディアの創出に活用できるかもしれない。

日本は、教えているわけではないのに学校や職場でも仲の良い仲間同士集まる、いわゆる村社会が形成されがちだ。19世紀中頃まで約千年にわたって日本と日本語は他国に征服されること無く独自の発展を遂げてきた。これは世界的にみても特異なことだと考えても良いだろう。そんな環境では対話の能力など育つはずがない。

高齢化と国内経済の縮小が進む中、グローバル化が求められているのは確かだ。そのために必要なのはコミュニケーションの能力だ。画一的な人種で育った環境から多様性の世界に入っていくためには訓練が必要だ。巷ではコミュニケーション講座やセミナーが大流行だ。でも、焦ることは無い。普段からいろんな人と「対話」をすれば良いだけだ。そのためにも日頃からいろんな情報と接しネタをストックしていくことが大切だ。これは運動不足だからといって無理にフィットネスクラブに通わなくても歩くだけで良いのと一緒。日々の生活をちょっと変えるだけで良いのだ。

また、対話をスムーズに行うにはコンテクスト(文脈)のズレを修正する能力を養うことが大切だ、会話においては状況など情報が省略されがちだ。そのズレを質問することで修正して行かないと会話が噛み合わない事が多々あるので注意が必要だ。

お題の「ランチは社外でコミュニケーション?それとも社内でリラックス?お昼寝?」に戻るが、答えは、「ランチは社内でも社外でもいいので対話の時間に使いたい」だ。さて、明日のランチはどう活用しよう。

「対話」と「会話」の違いについて詳しく知りたい人はこの本がオススメ!

演劇入門 (講談社現代新書)

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