「○○させていただいた」って使ってませんか?
数年前から気になっているフレーズがある。それは一見丁寧語に聞こえる「○○させていただいた」という表現だ。
- ご説明させていただいた
- 販売させていただいた
- お話しさせていただいた
- 発表させていただいた
- お送りさせていただいた
意外とたくさんのシーンで普通に使われているフレーズだ。ところが、この使い方はどうやら正しくはないようだ。
吉政 忠志さんのブログ「ベンチャービジネス千里眼」によると、「させていただいたきます」の意味は次のようになる。
「させていただきます」を文法的に分解すると、、
「させて」は「する」の使役形に接続助詞「て」を付加したもの。「いただきます」は、もちろん「ます」の謙譲形になる。この二つの動詞が結びついて、複合動詞となり特別の意味を持つ言葉を形成している。
とのことです。では、その意味合いはと言うと、
「する」「もらう」の動詞が原形で、「する」の使役形を用いて、「もらう」の謙譲表現「いただく」を結びつけ「相手がしてほしいと望むのでしからば、自分が進んでしあげよう」という意味になった。しかし、この本来の表現が、いつの間にか、相手が望まなくても自分勝手にしてあげよう、という表現をとるに至る。
↑補足:この部分の説明はいろいろな考え方があるようです。一意見としてお読みください。
とのことです。簡単に言うと、表現的には割と尊大な使い方で、強い意志を持った「何が何でもやります」的な意味合いのようです。上から目線の表現なので、間違っても、お客様や上司には使ってはいけない表現なのですね。
ということで、先ほどの文例を正しく表現すると
- ご説明いたしました
- 販売いたしました
- お話しいたしました
- 発表いたしました
- お送りいたしました
と意外と普通の表現になる。「○○させていただいた」という表現はプレゼンなどで良く聞く台詞だが、「先日訪問させていただいたときに、ご説明させていただいた」など。重ねて使われたり、しつこく感じるケースもある。また、この表現方法は広告代理店の人が多用し広まったという説もあるが、聞き苦しく感じるのは確かなので、今後は正しく使うようにしたいものだ。