Connecting The Dots

クラウドIT顧問 山崎ジョー吉のブログです。

iMEDIA Brand Summit in Okinawa2011に参加してきた〜!その3

2011年5月23日〜25日に沖縄で開催された世界最大級の広告主ネットワークイベント「iMEDIA Brand Summit」の参加レポートの続き(その3)。

博報堂 People Expert(TM)〜「デジタル×生活者」が拓く、次世代マーケティングソリューション〜

スピーカーは、木村氏(博報堂ケトル)、堀氏(博報堂)、森永氏(博報堂DYメディアパートナーズ)、山之氏(博報堂ネットプリズム)、安藤氏(博報堂エンゲージメント)。

ソニーが開発した世界最小一眼レフデジカメ(NEXα)の統合キャンペンの事例紹介。小さな一眼レフを開発したものの、パッと見ると、大きなコンデジにしか見えない。デジイチぽくない。

  1. そもそも一眼でしか撮れないって?→背景がぼけた写真!。
  2. デジイチで取りたいものは?→愛するもの!

この2点ががデジカメユーザーのインサイトと考えた。

Focus Your Love、ドキュメンタリーコンテンツ
→CMとは別にWEB・音楽・新しい一眼カルチャー・ファッションコンテンツを作成。一過性のプロモーションだけではなくコンテンツ化。プロモーションに、北川景子浅野忠信を採用。インテグレート3.0はお客さんの活動を生む。

森永氏がやや低い椅子に腰掛けていたのをを見たアジャイルメディア・ネットワークの徳力氏が「なぜか森永さんが低い椅子で反省させられているように見えるのが妙に気になります」とツイートしたところ、森永氏が壇上からツッコミ!こんなところでもソーシャルメディアが活躍。

ソーシャルメディアの活用は、従来の広告宣伝や広報の中に新しい仕事として増えただけではなく、ソーシャルリレーションという全く新しい第三の領域を登場させたと考えた方が良いかもしれない。ソーシャルメディア時代のコミュニケーションは常にBETA版 発信しっぱなしではいけない。コミュニケーションは「永遠のβ版」。マーケティングに運用と時間軸を。震災後にネット上でASIMO被災地派遣という話題が盛り上がったことに対し、傾聴をしていたHONDAがツイッター上で回答したことを例にあげて紹介。

リレーションギャップ。80%の企業は顧客に優れたサービスを提供していると認識。一方、8%の顧客しか、企業から優れたサービスを提供されていると認識していない。(2007年の米国のリサーチ)しかし、ソーシャル、エンゲージといった単語が良く登場するなあ。反面、SEOなどは意外と聞かない単語だったりする。

■マーケティング リーダーシップ キーノート -変わりゆく現実における広告の近未来-
Speaker : Cindy Gallop IfWeRanTheWorld社, 創業者&CEO

マイクロアクション、マイクロプラットフォームの時代へ。ブランドはイメージからアクションへと変化してきている。

広告業界は一度破壊して造り直さなければならない。かつてエージェンシーは魔法使いだった。しかし、今は魔法が使えない。もう一度魔法の力を取り戻せ。

ソーシャルメディアによって企業は法人(人)になる。エージェンシーも人になる。

ブランドはネット上でのネガティブな発言にナーバスになりがち。しかし、相手が企業だからコンシュマーは平気で酷評するのだ。企業も人になれば、酷評は減り、むしろ愛情に変わるかもしれない。それがロイヤリティだ。人間のレベルにならないと、企業と顧客の間では絆は生まれない。そのためには透明性が重要だ。社員全体が顧客からのコメントに対して同じコメントができるようになることが重要だ。

まずは、ソーシャルメディアを始めて見ることがポイント。過去の恐怖心を取り除き、リアルタイムで顧客と対話をしよう。

これからの広告の未来を語るために重要な7つのキーワード。 Goodness,Transparency,Action,Agency,Money,Production,Magic

Cindyの話はとてもパワフルで圧倒されっぱなし。

■ショート パネル インサイト ディスカッション -マーケティングパートナーに求められる資質とは?-

  • パネラー:日高氏(エスティ ローダー)、村山氏(KDDI)、小竹氏(グリー)
  • モデレーター:西谷氏(コムスコア・ジャパン)

KDDI 村山氏●

KDDIは5/17の新しいスマートフォンの発表に合わせてfacebookとの提携を発表し、facebookページを公開。新製品発表会をUSTで配信。3万人が視聴。

USTREAM:KDDI 新商品発表会 5/17

iidaのfacebookページは1週間で1万人のいいね!を獲得。これはスケールを伴ったソーシャルメディアの活用事例だ。

KDDI 村山氏からレディ・ガガ起用裏話。ガガは、これはエージェンシーからの提案ではなく村山氏の趣味?いつかレディ・ガガが、”au--!"とコメントしてくれるのを楽しみにしているとか。

また、コンテンツについて、コンテンツの制作は外注であっても、コンテキスト(文脈)は完全に内製化しているそうだ。そのためにも社内の人材育成に力を入れているそうだ。これは結構重要なことかも。

ツイッターでのツイートを観れば番組やCMのクリエイティブがどのぐらい効いたかわかるんに、ちっとも見てないエージェンシーの担当者が多い。そもそもツイートとか見てないじゃないの?エージェンシーが同じレベルで話できるようになってほしい。

今回名刺交換した人をfacebookで検索したところ、エージェンシーの人が見つからない人が比較的多いような気が・・・。

●エスティ ローダー日高氏●
エスティ ローダーでは、メディアは徐々に紙からデジタルにシフトしている。でも、人間が変わってないんですよね。ブランドの部分をローカライズするとブランドではなくなる。化粧品は、より生活に密着してくるので、手段については独自のものをだしていかなければいけない。USの成功体験からの指示を、エビデンスをもって、こちら=日本からいかに逆提案をしていくかが大事。
情報は入ってくるるが、素の情報のまま届いてしまう。情報にマーケティングインテリジェンスな情報を付加していくことが必要。サプライヤーなどのパートナーが担ってくれると助かるんだけど。がんばってほしい!

●グリー 小竹氏●
(エージェンシーの方は)事業に興味がない方が多い。お作法の話で終始してしまう。もっと踏み込んで、事業のゴールのイメージをどうシェアするかだ。

■クロージング オープン ディスカッション

ソフトバンクKDDIなど普段一緒に登壇することのない構図など、ワクワクするようなパネルディスカッション。会場はサプライズ、失言歓迎ムード。ソフトバンクモバイル栗坂さんがお父さん秘話披露したり、石黒氏がGoogleの有馬氏に「Facebookは好き?」とストレートに質問したり・・・。

資生堂の石川氏の話思わず聞き行ってしまった。コア・コンピタンスを「リッチ、ヒューマンサイエンス、おもてなし」に設定し、美と健康をテーマに徹底的にやっていく。成果主義をやめたことで老舗の体質は大きく変わった。今の、資生堂における二つの課題は、グローバル化と、デジタル対応。恐らく数年で日本人より中国人の方が多くなる。 資生堂の強みはビューティーカウンセラー。これは変わらない。その強みをアピールするのにTVCMの15秒では無理。とはいっても、ネットだけでも無理。相互に補完する事で相乗効果を狙っている。

大和ハウス武田氏はコクームスペースのエピソードを披露。女性のための部屋「コクーンスペース」の広告に、美魔女とのコラボを採用し発売前にリリース。今までとは全く異なる広告に会社全体の脳のスイッチが切り替わったそうだ。CMを見て、ダイワハウスは他とはチョット違っていて、イケテル感じがするのはこれがキッカケだったのかもね。

このパネルディスカッションをもっと聞きたい!と感じたのは私だけじゃないはず。もう少し時間を割いても良かったかもね。


■最後に

まずは、このような素晴らしいイベントの日本での開催にご尽力いただいたdmg::events Japanのスタッフのみなさんそして、お誘いいただいたダイワハウスの大島さん、花王の本間さんに感謝。ありがとうございました。今回いただいた沢山のご縁を大切にし、多くの人に共感を与えることができるよう活動していかなくちゃ。残波岬ロイヤルホテルのスタッフの皆さんにも感謝。素晴らしいおもてなしをありがとう。最高に美味しい食事だった。もう一度泊まってみたいホテルの仲間入り。

全体を通じて感じたのは、ソーシャルメディアという言葉が多く聞かれた反面、逆にSEOなど、GoogleやYahooの話が少なかった点。このソーシャルといムーブメントはデジタルの世界だけに起こっているのではなく、実生活にも影響を与え始めている。近所付き合いを避けていた人たちが、再びつながりを求めて行動をし始めたのだ。ソーシャルメディアを通じて新たな情報や人との接触機会が増加し、狭めていた興味や行動の視野が拡大している。また、震災がキッカケとなり、欲求構造にも変化が表れ人々は、遠くの親戚よりも近くの友人との「つながり(縁)」を求めるようになっているのではなかろうか。ブランドサミットに集った人たちも今回の「つながり(縁)」に対し共感し、つながりを維持拡散させていたいと感じているはずだ。この感覚や体験を参加者自らが、各々の仕事にどう反映、形にしていくか、考えるだけでワクワクしてくる。

せっかくなので、カイゼン点を幾つか。

●グループディスカッションを先にやって仲間づくりのきっかけ支援

最初から知り合いが何人かいる場合は良いが、初対面のばかりの人の場合、これだけ大勢と名刺交換をしても顔と名前、会社名を覚えるはまず無理なので、Facebookのように友達つながりで友達の輪が広がるような仕掛けがあると良かったかも。具体的にはグループディスカッションを先に行い、友達作りのコアを作り、その参加者から仕事、趣味、業種などマッチする友人を紹介しつながっていくなど。

●名刺カードみたいなものがあると良かったかも

また、名刺はフォーマットや情報がまちまちなので、一瞬では脳が顔の特徴を認識するので一生懸命で処理できないので、顔写真入りのリストか名刺がわりのカードを用意し交換するなどの効率的なツールがあると良かった。名刺のようなものだと180x180枚も準備しなくちゃいけないので別の方法も考える必要あり。

●グループディスカッションではワールドカフェの手法を取り入れよう

時間が限られた中でグループディスカッションを行うのであれば、ワールドカフェの手法を取り入れて行うことをオススメ。ワールドカフェとは、「知識や知恵は、機能的な会議室の中で生まれるのではなく、人々がオープンに会話を行い、自由にネットワークを築くことのできる『カフェ』のような空間でこそ創発される」という考えに基づいた話し合いの手法です。今回の各テーマのようなディスカッションにもってこい。

ワールドカフェとは

ということで、ブランドサミットで最も多く使われたキーワードである「ソーシャルメディア」を参加者自らが実践すべく、facebookで活動中。今後このつながりがどのように発展していくのか楽しみだ。