リーマンブラザーズが破たん
米証券4番手のリーマンブラザーズが証券市場から退場させられた。これは97年11月24日に自主廃業に陥った四大証券の4番目の山一證券の時を酷似している。
リーマンの直近の株価の急落を見るとかつての山一證券の株価の急落に似ていて、まさにに市場がリーマンを市場から追い出すことで、金融当局や政府に対し公的資金を投入する気があるかどうかをを試す形となった。ベアスターズやフレディマック、ファニーメイのように公的資金の投入は見送られ、当局の線引きが明らかになったといえる。
米金融危機はバブル崩壊後の日本と比較されることが多い。
かつての日本では過度の地価の上昇を促した官製バブルの反動によるものだと考える向きも少なくはない。
今回の米国においても地価の上昇による反動もあるが、行き過ぎた証券化ビジネスが不確実性を高めてしまったのが最大の原因だといえる。
デリバティブといえばブラックショールズモデルが思い浮かぶが、リスクが正規分布のようになっていればオプションなどを使ってリスクヘッジをすることができるが、フレディマックやファニーメイといった民間企業に対して暗黙の政府の保証がついているという誤解が不確実性を与え、今回のような事態を招いてしまったのではなかろうか。
97年に起こった日本の金融危機は他国への影響は軽微だったが、今回はそうはいかない。リーマンは東証の株式売買高1位であることだけを見ても、日本への影響は少なからずあるはずだ。
山一證券の破たんが公的資金の導入のきっかけとなり、その後は金融の再編へとつながったのだが、リーマンへの公的資金の導入が見送られたことから、マーケットは次の獲物を狙う動きが出ないとも限らない。今回の破たんが始まりで無いことを祈る。
リーマンの株価の推移
http://finance.yahoo.com/echarts?s=LEH#symbol=LEH;range=3m