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クラウドIT顧問 山崎ジョー吉のブログです。

美人社長「小室淑恵」さんのセミナー「経営戦略としてのワーク・ライフ・バランス」

昨日(12/16)テレビでも時々見かけるが、株式会社ワーク・ライフバランスの美人社長である小室淑恵さんのセミナーに参加。主催は石川県健康福祉部なんだけど、告知が少なすぎ。私は北國新聞に掲載された小さな記事が出てたというのを知り合いに教えてもらって気付いたから良かったものの、ほとんどの人はこのセミナーの存在すらしらないはず。後になって気付いたんだけど、立派なチラシが用意されていたみたいだけど、県関連の施設にでもいかないと手に取る機会は無いはず。折角、東京からこんな素晴らしい講師を招いてセミナーをするなら、告知をもう少し工夫した方がよいのではないだろうか。ネットでクチコミをしようにもどこにも情報が掲載されていないので伝えようが無いのが現状。これじゃね。

さて、今回のセミナーを振り返るとしよう。

セミナーのタイトルは「経営戦略としてのワーク・ライフ・バランス」。ワーク・ライフ・バランスと言えば、働きながら育児をしているママさんが連想されがちだが、どうやら異なるようだ。まずは、この誤解を正すことから始まった。

こららのことから、日本はGDP付加価値の合計は世界第3位だけど、時間あたりの生産性は低く、オートメーション化やIT化が進んでいるはずなのに、依然として時間あたりの労働生産性は低い。物質的に満たされていなかった40年前は、人件費も安く残業をしてでも早く商品を送り出す、つまり時間優位性が働いていたが、消費が飽和している現代においては、時間優位性に長時間労働で加算されるコストに見合うだけの価値を見出すのは難しい。特にデジタル化社会におしては、早く出しても直ぐにコピーされてしまうので、知的財産権を有しない商品においては、誰よりも早く商品化したとしても得られる先行者利益という意味では少ない。
したがって、日本はより短時間で高付加価値の商品を生み出さなければならないのだ。今の多くの企業に「短時間」というキーワードが抜け落ちているのだ。

一方、労働者市場はどうかというと、団塊世代が一斉にリタイヤした2007年問題に加え、少子高齢化から、今後ますます労働者人口が減少することが予想される。これを解消するには出生率の向上もさることながら、女性の継続的な就業がポイントとなる。高学歴の女性が結婚、出産後、職場に復帰せずパート勤めをしているようでは、労働力市場全体で見ると、生産性は低いままなのは当然だ。

また、出生率が低いのは働く女性の増加、つまり女性の社会進出が理由だといわれるが、これは誤解。女性の労働力率出生率の国際比較を見ると、女性の社会進出が高い国ほど出生率は高いのだ。この理由は定かではないが、経済力の向上が出生率を高めているとの考え方が強い。日本の現在の給与水準から夫一人で養える子どもの数は1.3人だそうで、夫が育児に参加しない限りは、二人目は産めないのが現状だ。新入社員を一人教育するのにかかる費用は500万円。育児で退職する女性が辞めずに復帰すれば、新たに教育のためのコストは発生しない。

さらに問題なのは介護だ。今後、介護休業を取らざるを得ない人の増加が予想される。つまり、残業をできない社員が増えていくということだ。そうなると、全ての業務が中堅社員に集中することで、不公平感からモチベーションが低下したり、過労によるうつ病など、メンタル面で不調を訴える人の増加が懸念される。不健全な組織が様々な問題を発生させるという負のスパイラルに陥る前に手を打つ必要がある。

そのためには、長時間労働を見直し、時間あたりの労働生産性を上げ、残業レスを実現することが重要だ。残業レスになれば、自分の時間、つまりライフタイムが増え、質のよい情報のインプットや自己研鑽が増加する。そして、それが仕事に活かされるという好循環が期待できる。

今後はワーク・ライフ・バランスが必要な人はどんどん増える。そのことを前提に仕事のやり方を変えていくことが重要だ。また、ワーク・ライフ・バランスは育児のための福利厚生ではなく、経営戦略としての投資だと認識し、個人の成長を促す仕組みづくりが必要だ。その際、画一的なメニューではなく多様性に即したマネジメントを意識することが重要。

しなやかなジェスチャーをしながら、少し早口だが、流暢に話す小室淑恵さんの話にふむふむとうなずくばかり。今回のセミナーから学んだことを活かしていかなければ。しかし、小室さんは美しいお方だ。