Perfumeヒットの予感
2007年のヒット番付にこそならなかったが、ニコニコ動画、中でも初音ミクが人気だ。
初音ミクと聞くとアイドルを連想するが、実在するアイドルでは無く、バーチャルなアイドルだ。
そう思ってしまうが、正しくは、札幌市に本社を置くクリプトン・フューチャー・メディアが開発販売している「歌声ソフトウェアシンセサイザ(ボーカル音源)」の一つである。
つまり、初音ミクとはソフトの音源("あ・い・う・え・お"の声)の事なのだが、二次創作物としてバーチャルなアイドルとしても認知されている。
ちなみに、公式プロフィールによると彼女のプロフィール(設定)は次のようになっている。
年齢: 16歳
身長: 158cm
体重: 42kg
得意ジャンル: アイドルポップス / ダンス系ポップス
得意な曲のテンポ: 70-150BPM
得意な音域: A3-E5
ヤマハの『VOCALOID 2』を採用した「キャラクター・ボーカル・シリーズ(CVシリーズ)」の第1弾として発売され、音階と歌詞を入力することで、ボーカルパートやバックコーラスを作成することができ、音楽作成(DTM)するソフトとしては異例の売り上げを記録したようだ。
大ブレイクの「初音ミク」、売り上げもぶっちぎりのトップを爆走中!
また、初音ミクオリジナル曲の「みくみくにしてあげる」がカラオケランキングに入るなど例の無い展開をしている。
この音源を使った音楽がニコニコ動画に数千曲(ビデオ?)がアップロードされている。一時はGoogleやYahooなどの画像検索エンジンでこれらのビデオが検索できないことから陰謀説まで出ていたようだ。
ここから話題は変わるが、昨年末からPerfumeというアイドルユニットが話題だ。
Perfume(パフューム)は、広島県出身の女性3人組テクノポップアイドルユニットで、代官山AirのDJを務める中田ヤスタカがプロデュースしている。
中田ヤスタカはCapsuleという音楽ユニットの二人のメンバー。ちなみに二人とも石川県金沢市出身だ。
PerfumeとCapsuleの曲の特徴はヴォコーダーという、しゃべる言葉を電気的に変換し、楽器音として使うことができる「独特な機械的な声」を使っている点だ。ヴォコーダーといえば、YMOのテクノポリスの「トキオTOKIO」の声で使われていたのが有名だ。
このヴォコーダーの音声が初音ミクの歌声にとても似ている。それもあってか、初音ミクはとてもアニメ色の強い存在だったが、ニコニコ動画にPerfumeと初音ミクがコラボレーションしたRemixが多数アップロードされている。キモイ存在がカッコイイ存在へブレイクスルーする瞬間かもしれない。
また、Perfumeはバンダイナムコゲームスのゲームであるアイドルマスターとのコラボレーションビデオもニコニコ動画に多数アップロードされている。
携帯電話の普及によって日本語と絵文字のRemixによる新しい文字文化が出現。そして次は初音ミクとPerfume(中田ヤスタカ)によって新しい音楽文化が出現するかもしれない。
しかも、その立役者である中田ヤスタカ氏の出身が金沢というのも偶然か?古きを大切にする気持ちは大切だが、伝統文化を守る地域から新しい現代文化が誕生するというのはとてもわくわくするものだ。2008年のヒットの予感。